AZ A BAJ・・

東欧の街角から日々の徒然
トランペットから流れる弦の音
9月の初めはクロアチアで迎えたんだっけ、
ブダペストに帰ってきて、次の週にはウィーンへ行った。
でも、ここに書く余力が無かった・・・。
そして、ブダペストに戻ってきてルーマニア、トランシルヴァニアへ!

ほぼ一年ぶりに行くトランシルヴァニア、
ルーマニアがEUに加盟して初めて行くことになる、
前はもっと頻繁に行っていたのになぁ。

物価は上がっているようにも感じたけど、
ちょっと田舎に出ればこの風景、やっぱり美しい・・・。

bratca

今回訪れたのはハンガリーと国境に近いビホール県にある村。
この辺りの民族音楽で使用されるヴァイオリンはちょっと変わっている。
ボディーの代わりに、トランペットがついているのだ。
ルーマニア語では『Vioara cu goarna』
英語に直訳すると『violin with a horn』で『Stroh Violin』の仲間だ。

むむむ、日本語だとなんて言ったら通じるかな?
友人達の間ではトランペット・フィドルとも呼ばれているから、
トランペット・ヴァイオリンなんてどう?

bratca

楽器制作の工房は庭、切り株の上。

bratca

本体に塗料を塗っていた息子は、乾かしている間に、
その昔、父に送られたと言うヴァイオリンを弾き始めた。

bratca

ドラムも登場、

bratca

弦の奏でる音が、銀色のトランペット部分から放たれる。
金属的だけど、なぜかやけに土臭いその音は
干草の匂いのする風景の空の部分に飛び散っていく。

ひとしきりのジャムセッションを終え、
子ども達が、待ってましたとばかりにドラムで遊び始める。

bratca

この瞬間は、きっと彼らの記憶の端っこに残るはず、
そして、きっと、こうやって伝統って受け継がれるんだと思う。
土地の音楽が、土の香りと混ざり合う、わたしの一番好きな瞬間。

(おまけビデオ、お時間のある方どうぞ!)
| ルーマニア | 23:02 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
少女の庭
空に折り重なる雲、その雲の薄いところで
時折太陽が透ける瞬間のあった今日のブダペスト。
日本では節分、今日を境に暦上では春が始まる
でも、ブダペストの春はまだ先の話となりそう。

去年の10月、ルーマニア、マラムレシュ地方の
ロザブレアと言う村を訪ねた。村の裏手を流れる
小川の向こうにあるユダヤ人墓地を訪ね、
その帰りに、古い木造の教会に寄った。

ロザブレア

マラムレシュ地方の村に点在する古い木造の教会は
ユネスコの世界遺産に登録されている。
ロザブレアの教会内部には色鮮やかな壁画が残っていた。

ロザブレア

ロザブレア

ミサに使われる十字架。

ロザブレア

教会の前で少女に出会った。

ロザブレア

すぐそばに住んでいると言う少女はわたし達を家に誘う。
少女の家にはツイカ(果物の蒸留酒)を蒸留する小屋があった。
夏の終わりから秋にかけて収穫したプラムが発酵するこの季節、
蒸留器はフル稼働で村のツイカを仕上げていく。

ロザブレア

数ある果物の蒸留酒の中でもプラムは最上級とされる。
出来上がったばかりのツイカをすすめられ味見、
混じり気のないピュアな味、鼻にぬけるプラムの香り、
満足したわたし達は、その場でツイカを売ってもらう。

蒸留小屋を出ると、少女が庭に向かって叫んだ。

『マァリアナァ〜』

その声で振り返ったマリアナ

ロザブレア

少女はわたしの手を引いて、
家で飼われている動物を一匹ずつ見せてくれる。
そのすべてに名前がついていた、この庭の動物達は彼女の友達だ。

ロザブレア

ロザブレア

頼んだツイカがペットボトルに詰められた。
それを車のトランクにおさめる。
そろそろ、次の村へ向かわなくてはならない。
少女は、ちょっと待つようにわたし達に告げて
家の横に生えているブドウ棚に手を伸ばす。

ロザブレア

笑顔と一緒に手渡された小ぶりの赤いブドウは
甘酸っぱく、少女の庭を暖める太陽の味がした。

ロザブレア
| ルーマニア | 21:35 | comments(4) | trackbacks(0) | pookmark |
リンゴの木
一日中どんよりとした曇り空。
天気がよくても4時を過ぎれば暗くなるのに、
こうも日中から暗くては、まるで昼間の無い一日に感じる。

10月にルーマニアのマラムレシュ地方に行った時は
ちょうどリンゴのシーズンだった。

りんごの木

村のいたるところで、
リンゴの木がたわわに実をつけている。
滞在したの家でも食後にリンゴが必ず出てきた。

あるお宅を訪ねた時、帰り際に

『リンゴを持って帰ってね、とっても甘いんだから。』

と言ったその家のおばさんが子どもたちと一緒に
家の裏に消えていった。

ちょっとすると、ボスボスボスと鈍い音が響いてきた。
家族総出で一本のリンゴの木を揺らして
実を落としているのだ。

そしておばさんは両手に抱えきれないほどの
リンゴを持って現れた。小ぶりなリンゴは
ところどころに傷があって形も不ぞろいだったけど
かじってみたらおばさんの言うように甘く、
そしてさっぱりとした酸味もあった。
とても自然な味。

さわやかにおいしい村のリンゴを食べたら
マラムレシュの空気がおなかいっぱいに広がって
とっても気分がよかった。

りんごの木

| ルーマニア | 23:58 | comments(1) | trackbacks(0) | pookmark |
夫婦の写真
ルーマニアのマラムレシュ地方へ行っていた。
山の中に点在する村には伝統的で素朴な暮らしが残る。

マラムレシュ

ここに来る時はいつもの家に泊めてもらう。
は出稼ぎに出ている娘夫婦の代わりに3人の孫の
面倒を見ながら家畜の世話と畑仕事をこなす。
マラムレシュの人々は働き者だ。

5年前、初めてこの村を訪れた時、
はカメラをいつも持ち歩いていたわたしに
墓石に飾るための夫婦の記念写真を撮って欲しいと頼んできた。
そして、わたしは民俗衣装を来て正装したの夫を
この地方独自の織物の飾られた美しい部屋の中で撮影した。

昨年の夏、友人を連れての家に滞在した時、
の夫は入院をしていた。いつも底抜けに明るいが、
夫の病状の話になった時に、あまり容態がよくないと
ほろりと涙をこぼした。そして、夫はその2ヵ月後に亡くなった。
その事は今回ここに来るまで知らなかった。

と一緒に教会の敷地にある墓地へ行った。
真新しい墓石にはわたしの撮った写真が飾られていた。

墓石

とても不思議な気分だった。

撮影した時、この写真を墓石の中で見る事になるとは
夢にも思っていなかった。こんなに早くの夫が
亡くなると思わなかったし、また、わたしがこの5年間
この村に通いつづける事になるとも予想しなかった。

墓石にはの夫の名前が刻まれている。
そして墓石の前には2人の棺を並べて埋める事の出来る
大きさの場所があり、そこに花が飾られている。

『こっちはわたしの場所よ』

と言いながら、は夫の眠るその大地を指差して微笑んだ。





| ルーマニア | 18:29 | comments(5) | trackbacks(0) | pookmark |
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