水曜日、ブダ地区にある文化センターで毎週開かれている
チャーンゴー・ターンツハーズ(ダンスハウス)に行った。
チャーンゴー(Csángó)とはルーマニアの東北部、
モルダヴィア地方に住むハンガリー人の事。ルーマニア西北部、
トランシルヴァニア地方とはカルパチア山脈で分けられ
独自の文化がある。そのモルダヴィア地方から村の音楽家が
ブダペストに招待されていたので会いに行ってきた。
ヴァイオリン弾きのおじいちゃんは83歳、隣のおじいちゃんは78歳
モルダヴィア地方に伝わるコブザと呼ばれる楽器を演奏する。
2人ともルーマニア人だが、ハンガリー語の単語も飛び出る。
チャーンゴーの音楽はモルダヴィア地方の音楽だ、
彼らは近隣のチャーンゴーの村でも演奏をしてきた。
コブザの原始的な音がジャガジャガジャガとリズムを取る、
そのリズムにヴァイオリンのメロディーが乗る。
二人とも、なんとも味のある『いい顔』で気持ちよさそうに
音を奏でている、そして彼らの前でダンスが繰り広げられる。
曲の合間においしそうにビールを飲む2人。
ルーマニア語でなにやらジョークも飛び出すが、
全部理解できなかったのが残念!もっとしゃべれるようになりたい。
ダンスは輪になってステップを踏むサークルダンスが基本、
曲によっていろいろなステップがある。一定のリズム、同じ旋律が
何度も繰り返され、輪に囲まれた空気が少しずつ高揚していく。
曲によってはペアで踊る場合もあり、
時にはダンスの輪の中で何組かのカップルが踊る事もある。
一旦、休憩となるが、ダンスフロアに下りて
さらに演奏を続けるお茶目なヴァイオリン弾きのおじいちゃん。
後半はコブザに変わってツィンバロンの登場。
彼のツィンバロンはルーマニアでよく見る小さなツィンバロン、
40年前のレギン(Reghin・楽器の工場で有名な街)産。
数年前レギンまで足を伸ばした際、同居人
Bが
同じ型のツィンバロンを購入した。年月が経つとこんなにも
深い色になるのかと思うとかなり楽しみ。ハンガリーでは
100年ほど前に大きなツィンバロンが主流になって以来、
この小さなツィンバロンは見る事がなくなったと言う。
彼らの奏でる音はダンス・ミュージック、
メロディーやリズムを変化させながら休むことなく、
時に20分以上も演奏が続きダンスフロアを盛り上げる。
きぃ〜んと響き渡るヴァイオリンの音はワイルドで、
それをフォローするツィンバロンの音はファンキーだ。
二人合わせて161歳のデュオが若い世代を踊らせる、
素敵過ぎる!