強風が吹き荒れたかと思ったら、
ばらばらと雨が落ちてくる、気がつけば驟雨、のち...晴れ、
待ち焦がれた太陽が雲の隙間から出て来た!と思ったら、
一気に夏のような日差しに照らされる、
かなり気分屋な6月のブダペストの空模様。
夏至を週末に控えて、日もぐぐぐぃっと長くなり、
夜9時近くまで夕焼けの続く今日この頃、
今年初めてミィーーーンと音を立てて攻撃してくる蚊に
早朝、起こされた、ムカっ!
さて、ちょっと時をさかのぼって、もうひとつサラエヴォの話。
サラエヴォの街はイスタンブールを思い起こさせる。
旧市街にあるバザール、モスクの丸天井とミナレット(塔)
でも、決定的に違う習慣を、滞在初日、街に出て知った。
チャイ(紅茶)文化のイスタンブールに対して
サラエヴォはコーヒー文化圏だった事。
いつの時代から受け継がれているのだろう、
コーヒーを沸かすために作られた、美しいフォルムの小鍋、
熱々のコーヒーはきれいな泡を立てている。横には水の入ったグラス、
そして、お茶請けならぬ、お珈琲請け(笑)とも言える
激甘のロクム(ターキッシュ・デライツ)が添えられている。
わたしが感動したのは、それら、すべてのアイテムが、
ひとつのトレイに、ほっこりと、まとまって出される事、
茶道ならぬ、珈琲道、トレイの上に漂う美学まで感じてしまったり。
しかも、このコーヒーセット、旧市街の広場のカフェで
お値段1マルク、約70円ほど、ぐわぁっ!。
ボスニアン・コーヒーに完全にノックアウトされて、
カフェを見かけては休憩してしまった。
地元の人々も、ゆっくりとコーヒータイム。
他の国ではトルコ式コーヒーとも呼ばれる煮出しコーヒー、
ここでは、もちろんボスニア式コーヒーと呼ばれている。
フィルターを通さないので、コーヒーの粉が沈殿してから、
上澄みの部分を小さなカップに注ぐ。
旧市街、鍛冶屋の並ぶ小路にコーヒー用の鍋も売られている、
この小さな路地、まるで古い時代を再現した映画のセットみたいな雰囲気。
旧市街全体が、映画のセットみたいかも。
モスクの前の靴修理屋さん、100年以上続いていると言う。
サラエヴォの街で、もうひとつ嬉しかった事、
それは人々の親切、温かさ、道に迷って地図を広げていると、
必ず通りがかりの人が助けてくれた。
カフェの風景をカメラに収める、ここでも笑顔。
泊まっていたゲストハウスの近所にある、ちょっとさびれた飲み屋、
二夜連続で立ち寄ったら、女主人に常連客のように歓迎された。
飲み屋にいたアコーディオン奏者、バルカンの民謡を奏でる。
客も店の人もみんなで歌う、バルカンの空気を濃密に感じる瞬間。
あ〜、また行きたいなぁ、サラエヴォ!